陸上競技を知る・Knowledge

財団法人 日本陸上競技連盟 2011年6月改訂版
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■陸上競技とは~ wikipediaより

陸上競技(りくじょうきょうぎ、英語:athletics)は、主に野外競技場のトラックやフィールドあるいは道路で行われる、走る・跳ぶ・投げるの3基本技を中心とする競技の総称[1]。単に陸上(りくじょう)と呼ぶことも多い。

 

▼概要

陸上競技とは、主に屋外(屋外競技場のフィールドやトラック、あるいは道路など)で行われる、走る、跳ぶ、投げる、という3種の基本技を中心とする競技の総称である。

その歴史は紀元前776年の第1回古代オリンピックまで遡る。

陸上競技は大分類としては、走種目を主体とし競技場のトラックで実施されるトラック競技、跳躍(走幅跳など)や投擲(ハンマー投など)を主体としトラック内側のフィールドで実施されるフィールド競技、さらにマラソンや競歩など競技場外の道路上に設定されたコースを走るロードレースがある。(ただし、競技場によってはフィールド競技(特に跳躍)の競技場所がトラック外側に設置されていることがある。)

 

▼歴史

陸上競技は紀元前776年の第1回古代オリンピックに遡る歴史のある競技である。この時(第一回)にはスタジアムの長さ分の走種目、スタディオン走(現代で言うところの短距離走)のみが行われ、その後種目が増えた。古代ギリシアの中期オリンピックでは、スタディオン走(短距離走)に加え、ディアウロス走(中距離走)、ドリコス走(長距離走)、五種競技、円盤投、やり投、走り高跳びも行われた。

古代には、他にもヨーロッパ中でいくつかの競技大会が開かれていた。

 

パンヘレニック競技会

ピュティア競技会 (紀元前527年開始)デルポイで4年おきに開催された。

ネメア競技会(紀元前516年開始)アルゴリスで2年おきに開催。

イストミア競技会(紀元前523年開始)コリントスのイストミマスで2年おきに開催(この一部がオリンピック競技会へと発展した)。

 

ローマ競技会 -- ギリシア起源ではなくエトルリアで始まったもので、走競技と投擲競技の比重を低くし、ギリシア起源の戦車レース・レスリングや、エトルリア起源の剣闘を重く見ていた点が特徴。

他にもケルト人やチュートン人、ローマ帝国を倒したゴート人といった民族も陸上競技の大会を開き、人気を集めていたようである。しかし、これらの民族では陸上競技は軍事鍛錬と関連したものであるのが一般的で、それほど大きく組織立ったものとはならなかった。中世には、貴族の子息たちが乗馬、馬上槍、剣術などの鍛錬に加え、ランニング、跳躍、レスリングなどの鍛錬を行っていたようである。競争相手のライバルや友人らとの間で競技会を開催することも公式、非公式を問わず、広く行われていた。

 

時代の枠を越えて、ヨーロッパ全土で多くの陸上競技スポーツが親しまれていた様子が確認されている。陸上競技は、ルネサンス以降に近代スポーツとして発展し、1896年に開催された第1回アテネオリンピックをきっかけとして、世界各国へと普及した。陸上種目の多くはその起源を古代にまで遡るものが多く、古代ギリシアで既にその競技種目としての形式が確立されていた。陸上競技は、1896年の第1回近代オリンピック大会でも実施され、常に実施競技としてありつづけるとともに、同じく第1回大会から常に実施されていてオリンピック前半の花形競技とされる競泳と並んで、オリンピック後半の花形競技としての地位を占める。陸上競技と水泳については、オリンピック以外でも総合的なスポーツ大会で競技ナンバーが1番と2番になることが多く、陸上競技の棒高跳びや投てきを例外としても、基本的には道具や対戦相手を必要とせず、己の身体のみで人類の限界に挑むと言う普遍的なスポーツであることからその存在価値が重視されている。格闘技や球技等、プロとしてお金を稼ぐことを目的とする商業スポーツと比べて、その存在意義も異なる。

 

国際競技統括団体IAAFは1912年に創設され、1983年からは、オリンピックとは別の大会として、IAAF世界陸上競技選手権大会を開催するようになった。他に世界室内陸上競技選手権大会やヨーロッパ陸上競技選手権大会なども開催されている。特にオリンピックを始め、主要な陸上競技大会の期間中は高い注目を集めるものの、スポーツ全般から見ると多くの国で一般からの関心の度合いはやや低くなりがちである。世界各地の競技会を転戦して総合成績を競うサーキット大会IAAFグランプリが1985年に創設された。IAAFグランプリはIAAFゴールデンリーグ・IAAFスーパーグランプリを経て、2010年からIAAFダイヤモンドリーグ、IAAFワールドチャレンジミーティングスとして毎年春から秋にかけて開催されている。

 

日本

日本には明治初期に、海軍兵学寮のイギリス人教師によって伝えられた。日本が初めてオリンピックに参加したのは、1912年の第5回ストックホルムオリンピック大会であり、中・短距離走の三島弥彦と長距離走の金栗四三が参加した。

 

種目

下記の種目が世界記録として公認される。日本記録も準拠する。ハーフマラソンや駅伝競走はオリンピックや世界陸上競技選手権大会には採用されていない。これはマラソン同様に陸上競技場の外、つまり公道をコースとせざるを得なく、更に男女別で分ける必要もあることから、公道での交通規制が増えすぎてしまい、警備への負担増加、規制による市民生活への影響などが大きいためとも考えられる[要出典]。女子の場合は長距離走と競歩、また跳躍競技、投擲競技などの大半は日本陸連から日本記録公認外種目として始まったものが多い。大部分は1930年までに公認されたが、長距離走と競歩は1980年、三段跳は1986年、棒高跳、ハンマー投は1993年になって公認されるようになった。

 

世界記録

以下の種目が世界記録として国際陸上競技連盟により公認される。

短距離 - 100m、200m、400m

ハードル - 100mハードル、110mハードル、400mハードル

中距離 - 800m、1000m、1500m、1マイル、2000m、3000m、3000m障害

長距離 - 5000m、10000m、20000m、1時間、25000m、30000m

リレー - 4×100mリレー、4×200mリレー、4×400mリレー、4×800mリレー、4×1500mリレー

道路競走 - 10km、15km、20km、ハーフマラソン、25km、30km、フルマラソン、100km、ロードリレー(42.195km)

競歩 - 10000m競歩、20000m競歩、30000m競歩、50000m競歩 / 20km競歩、50km競歩

跳躍 - 走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳

投てき - 砲丸投、円盤投、ハンマー投、やり投

混成競技 - 七種競技、十種競技

 

日本

次の種目は日本陸上競技連盟により日本記録として公認される。

短距離 - 60m、300m

リレー - 100m+200m+300m+400m

道路競走 - 10マイル、35km

競歩 - 5000m競歩、2時間競歩 / 5km、10km競歩、15km、30km

 

ジュニア世界記録

以下の種目がジュニア世界記録として公認される。

100m、200m、400m、800m,1000m、1500m、1マイル、3000m

100mハードル、110mハードル[5]、400mハードル、4×100mリレー、4×400mリレー

5000m、10000m、2000m障害、3000m障害

5000m競歩、10000m競歩、10km競歩

走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳、砲丸投、円盤投、ハンマー投、やり投、七種競技、十種競技

 

室内世界記録

以下の種目が室内世界記録として公認される。

50m、60m、200m、400m、800m、1000m、1500m、1マイル、3000m、5000m

50mハードル、60mハードル、4×200mリレー、4×400mリレー、4×800mリレー

3000m競歩、5000m競歩

走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳、砲丸投、五種競技、七種競技

 

その他

以下の種目は世界記録として公認されていない。

150m、クォーターマラソン、立ち幅跳び、立ち高跳び、重錘投、ジャベリックスロー、ジャベリックボール投、三種競技、四種競技、八種競技、十四種競技、二十種競技

 

競技規則

計測・単位について

フィニッシュタイムの計測(トラック競技)

トルソー(ここでは頭、首、腕、手及び足を含まない部分を示す)のいずれかがフィニッシュラインのスタートラインに近い端を含む垂直面に到達した時点で走者のフィニッシュとされる。なお、トルソーと首の境界は胸部上部の凹部と第7頸椎の突起部を結んだ線であり腕との境界肩胛骨の外端である。

写真判定装置を用いる場合、10000メートル以下の競技では、1000分の1秒以下を100分の1秒に繰り上げる。10000メートルよりも長い競技では、100分の1秒以下を10分の1秒に繰り上げる。また、一部でも競技場外で行われるレースにおいては、10分の1秒以下を秒に繰り上げる。

手動計時の場合は、トラック種目の場合は100分の1秒以下を10分の1秒に繰り上げ、一部でも競技場外で行われるレースにおいては、10分の1秒以下を秒に繰り上げる。また、3個の時計のうち2個が一致する場合はそのタイムが記録となり、全て異なる場合は真ん中のタイムが記録となる。尚、時計が2つのときは遅いほうのタイムを記録とする。そのため、同じ着順の計時を複数名で担当する。

 

距離の単位(トラック競技)

基本的に競技場内で行われる競技はメートル、公道へ出る競技はキロメートルで表される。

 

距離の計測(フィールド競技)

センチメートル未満を切り捨て、センチメートル単位で記録する。

 

風速の測定

風速は、各種目下記の秒数計測し、100分の1メートル以下を10分の1メートルに切り上げる。

60メートル スタートから5秒間

100メートル スタートから10秒間

200メートル 先頭の選手が直線に入ってから10秒間

100メートルハードル スタートから13秒間

110メートルハードル スタートから13秒間

走幅跳 踏み切り板から40メートル離れ、助走路のそばにあるマーク通過から5秒間で、競技者の助走が40メートル未満なら助走開始時から5秒間。

三段跳 踏み切り板から35メートル離れ、助走路のそばにあるマーク通過から5秒間で、競技者の助走が35メートル未満なら助走開始時から5秒間。

測定器はトラック競技の場合は1レーン側のトラックから2メートル以内のフィニッシュラインから50メートルところに設置し、フィールド競技の場合は踏み切り板から20メートルのところで、助走路から2メートル以内のところに設置する。また高さは、トラック、フィールド共に1.22メートルのところで測定する。

 

競技時の服装の例

服装は濡れても透けないもの。

前と後ろにナンバーカード(旧呼称:ゼッケン)をつける。

普通、数字で1桁から4桁。ロードレースでは5桁も。

小規模の開催では選手側が用意する。

ある程度の大会(予選会や標準記録があり参加者が限られるもの)では開催名やスポンサー名の入ったナンバーカードが配られる。

最近は競技会、種目によって(セパレートレーンの短距離走やフィールド種目などで)はナンバーカードをつけないことがある。

トラック競技は写真判定のためにレーンナンバーを示す腰ナンバーカードをつける(リレー種目はアンカーのみのことが多い)。

ちなみに、最近の腰ナンバーカードは直ぐに取り外しできるよう(レーンが決まるのはレース直前であるから)シール状になっていることが多い。このシールは特にスパッツの生地には全く馴染まないため競技開始直後に剥がれることが多く、オリンピックや世界選手権の決勝レースにおいてもスタートと同時に選手が白いナンバーカードを「落とす」光景が見られる。そのため、水濠で足が濡れることでよりシールが剥がれやすくなってしまう3000メートル障害では太ももなどの地肌に直接ナンバーシールを貼る選手もいる。

 

主な失格

トラック競技で、一度でも不正スタートの責任を有する競技者。ただし混成競技(国内ルールでは道路競走、駅伝競走を加える)では、1回の不正スタートの後、2回目以降に不正スタートをした競技者。

1回目の不正スタートが即失格となるこのルールは、2010年1月より国際陸上競技連盟主催大会で適用されている。日本国内でも2010年度から3年間は試行的に適用され、2013年度以降は日本陸上競技連盟主催・共催の全大会(小学生を除く)で適用されている。地区大会は各陸上競技協会の判断によるが、新ルールの適用が推奨される。フライング判定装置の設置が原則となるが、装置がない場合は目視とビデオ映像で判定する。日本学生陸上競技連合も日本学生陸上競技個人選手権大会と日本学生陸上競技対校選手権大会の両大会で新ルールが適用されている。2011年世界陸上の男子100メートル決勝で、世界記録保持者のウサイン・ボルトが不正スタートで一発失格となったことからこの新ルールが注目された。

2003年から導入された各レースで1度フライングがあった後は2度目以降が誰でも失格になるルールは、1回目のフライングが失格にならない事を逆手に取り、駆け引きのため故意にフライング出来る事が問題視されていた。

 

全国小学生陸上競技交流大会では、同一競技者が2回不正スタートを行った場合に失格となる。

他の走者の進路を故意に塞ぐ等、他の競技者の妨害をすること。

オープンレーンのトラック競技において、走者が競技中に他の走者以外の者と接触すること(部外者の手助けを受けたとみなされるため。競技中の走者同士であれば手助けをしても構わない)。

オープンレーンのトラック競技において、指定のレーンよりも内側に侵入すること。

セパレートレーンのトラック競技において、競技中に自身のレーンを逸脱すること。

リレー走で、バトンの受け渡しをテークオーバーゾーン外で行うこと。

リレー走で、バトンパスを成立させていないとき(受け取る走者に触れる前に落としたバトンを受ける走者が拾う、投げ渡す等)。

ハードル走で、ハードルをはみ出して低い位置で跳んだり、ハードルを故意に倒すなど。

指定時刻までに招集(競技開始前の点呼)に応じないとき。

禁止された薬物等を使用すること。

性別を偽って競技に出場すること。

その他、定められた失格行為に至ること。

国際競技会における走種目のスタート合図

スターターは英語・フランス語・開催地の言語のいずれかで合図を行う。

400m以下の場合、スターターはまず「位置について(On your marks)」と言って選手をスタート位置につかせる。その後、スターターは「用意(Set)」と言って選手にクラウチングスタートの姿勢を取らせ、スターターピストルを撃つ。

400mを超える場合、スターターは「位置について(On your marks)」と言って選手をスタート位置につかせ、選手がスタンディングスタートの姿勢になっているのを確認してからスターターピストルを撃つ。2006年度の競技規則改正により、下記の競技会においてはスターターによる合図を英語に統一することになった。

 

世界陸上競技選手権大会、オリンピックおよびIAAF陸上ワールドカップ

世界選手権は2007年の大阪大会、オリンピックは2008年の北京大会から適用される。

 

国際陸上競技連盟が独占統轄権をもつ陸上競技選手権大会

上記以外の国際競技会については、従来どおり開催する国や地域の言語、英語またはフランス語で合図する。

 

公認種目、公認記録の扱い

公認種目はIAAF等が公認した種目で、その種目において世界で最高の記録が出ると、世界記録として認められる。また、公認種目以外の種目では「世界最高記録」として扱われる。公認種目では、公認記録(世界記録、各国記録、各種大会記録)として100メートル、200メートル、100メートルハードル、110メートルハードルと走幅跳、三段跳の場合は追い風2.0m以内であれば公認記録となる。追い風2.0mを超えると各種大会の順位付けの記録は付くが、公認記録としては認められず「追い風参考記録」にとどめられる。

混成競技では、風速を計測する種目の平均風速が追い風2.0m以内であれば混成競技の記録として公認され、そうでなければ「追い風参考記録」となる(2010ルール改正)。

国際陸上競技連盟の競技規則に沿った競技会での記録でないと、公認記録とならない。

 

関連項目

国際陸上競技連盟 (IAAF) https://www.iaaf.org/home

日本陸上競技連盟 (JAAF) http://www.jaaf.or.jp/

日本パラ陸上競技連盟 https://jaafd.org/

パラリンピック

日本障がい者スポーツ協会 http://www.jsad.or.jp/

アジアパラ競技大会

アジア大会

IPC陸上競技世界選手権大会

世界ジュニア陸上競技選手権大会

世界ユース陸上競技選手権大会

IAAFコンチネンタルカップ

世界ハーフマラソン選手権大会

世界クロスカントリー選手権大会 https://www.iaaf.org/competitions/iaaf-world-cross-country-championships

ワールドマラソンメジャーズ

Wikipedia:多数の言語版にあるが日本語版にない記事/スポーツ/陸上競技

陸上競技大会一覧

参考文献

東京教育大学体育史研究室編 『図説 世界体育史』 新思潮社 1964年/ほか